運送業界の今後はどう?将来性はあるのかについて解説

4th 4月 2023 Off By

運送業界はさまざまな業種の橋渡しをする重要な仕事を担っている業界です。これまでは業者間の取引がメインでしたが、通販サイトの普及で業者と個人間の荷物の運送も増えつつあります。そんな運送業界の今後はどのような感じになるのでしょうか?

 

1.運送業界の市場規模をチェック

そもそも運送業界は日本の産業の中でもどのくらい重要な位置を占めているのかについてみていきます。現状でも日本社会を支える重要な業界であることがわかります。

 

1-1.全産業の一定割合を構成

2017年度の営業収入を見てみると、運送業界だけで約24兆円をはじき出しています。これは全産業の約3%に当たる数字です。また2018年度の運送業者に関連する就業者数は約258万人を数えます。これも全産業の約4%を占める数です。いかに運送業界が日本の産業や社会を支えているか、この数をみればおわかりでしょう。

 

1-2.小口貨物が増加傾向

長期的なトレンドを見てみると、国内における貨物量は減少傾向にあります。しかし小口の貨物については近年増加傾向にあり、注目されています。これは通販サイトの普及で、商品を自宅に届けてもらう人が増えたためです。宅配便の取扱件数は2013~18年の5年間で約6.7億個も増加しているといいます。しかもコロナ禍で自粛生活が浸透したことで、ネットショッピングの利用者数も増えています。ですから今後ますます小口の貨物の取扱量は増えていくとみられています。

 

2.運送業界の将来に向けた課題

運送業界は通販サイトの発達などで今後も高い需要で推移するとみられています。将来性のある業界ではありますが、一方で克服しなければならない課題もあります。

 

2-1.2024年問題の対策

運送業界では長らく「2024年問題」と呼ばれる課題があります。働き方改革関連法の施行に伴う問題です。2024年4月1日以降、自動車運転の業務の時間外労働を年間960時間を上限とするというものです。これが運用されると、それぞれのドライバーの走行距離が短くなってしまいます。ドライバーの収入が減少しますし、運転時間の制約を受けることで運送業者の収益も減少する恐れが出てきます。長時間労働や休日出勤をしてきた業者は、自社業務の整理を進めなければなりません。

 

2-2.ドライバーの高齢化

運送業界の抱える深刻な問題の一つに、ドライバーの高齢化が挙げられます。厚生労働省が平成26年に調査したところによると、トラックドライバーの平均年齢は46.2歳です。大型長距離トラックドライバーのボリュームゾーンといわれているのが、40~50代です。となると10年以上経過すると、トラックドライバーの定年が相次ぎ、ドライバーの人数が激減する恐れがあります。若手の積極登用を進めていかないといけません。

 

3.まとめ

通販が広く普及したことで、個人向けの荷物が増加しています。ですから運送業界が今後衰退する可能性は極めて低いです。しかしドライバーの高齢化や2024年問題など、今後克服の急がれる課題もあります。同問題を解決するか、運送業界に課せられた使命です。